![酒井 玉蘭 百人一首(八首) 酒井 玉蘭 百人一首(八首)](https://shubisha.com/wp-content/uploads/cache/2020/06/saka2020-1/2754729817.jpg)
酒井 玉蘭 百人一首(八首)
曾祖父 夏の夜は まだ宵ながら明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ(清原深養父) 父 契りきな かたみに袖をしぼりつゝ 末の松山 波越さじとは(清原元輔) 娘 夜をこめて 鳥のそら音ははかるとも よに逢坂の関はゆるさじ(清少納言) 父 秋の田の かりほの庵の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつゝ(天智天皇) 娘 春過ぎて 夏来にけらし白妙の 衣ほすてふ天の香具山(持統天皇) 父 天つ風 雲の通ひ路 吹きとぢよ をとめの姿しばしとどめむ(僧正遍昭) 子 今来むと いひしばかりに長月の ありあけの月を待ち出でつるかな(素性法師)
![杉本 祥泉 来日大いに難しに当つ 杉本 祥泉 来日大いに難しに当つ](https://shubisha.com/wp-content/uploads/cache/2020/06/sugi2020-2/4013036108.jpg)
杉本 祥泉 来日大いに難しに当つ
日の短きを苦しむ 楽しみ余り有り 及ち玉樽を置きて 東厨を辧ぜしめ 情故を広くし 心相於しむ 門を闔ざして酒を置き 和楽して欣欣たり 馬を遊ばして後れ来たらしめ 轅車は輪を解かしむ 今日堂を同じくするも 門を出ずれば郷を異にす 別るるは易く会うは難し 各おの杯觴を尽くせ(曺植)
![杉本 祥泉 河傳 杉本 祥泉 河傳](https://shubisha.com/wp-content/uploads/cache/2020/06/sugi2020-3/1817781945.jpg)
杉本 祥泉 河傳
春暮 微雨 君を南浦に送れば 双蛾を愁斂せしむ 落花の深き処 啼鳥は離歌を逐うに似 粉檀と珠淚と和す 流れに臨んで同心を把りて結べば 情は哽咽す 後会は何の時節ぞ 回首するに堪えず 相望めば已に汀洲を隔つ 櫓声は幽かなり(李珣)
![杉本 祥泉 述懷(魏徵) 杉本 祥泉 述懷(魏徵)](https://shubisha.com/wp-content/uploads/cache/2020/06/sugi2020-4/3068097309.jpg)
杉本 祥泉 述懷(魏徵)
中原還逐鹿 投筆事戎軒 縱橫計不就 慷慨志猶存
杖策謁天子 驅馬出關門 請纓繋南粤 憑軾下東藩
鬱紆陟高岫 出没望平原 古木鳴寒鳥 空山啼夜猿
既傷千里目 還驚九逝魂 豈不憚艱險 深懷國士恩
季布無ニ諾 候嬴重一言 人生感意氣 功名誰復論
![野田 香彩 楽遊原(李商隠) 野田 香彩 楽遊原(李商隠)](https://shubisha.com/wp-content/uploads/cache/2020/06/noda2020-2/215160352.jpg)
野田 香彩 楽遊原(李商隠)
夕暮れのせまる頃、何がなし心は満たされない。車を走らせ、町を出てすっと古い原に登る。原から見る夕日は、この上もなく見事だ。だがしかし、もはや黄昏は近く、この夕日も消えてしまうのだ。
![横田 恵豊 日々是好日 横田 恵豊 日々是好日](https://shubisha.com/wp-content/uploads/cache/2020/06/yoko2020-1/1415122349.jpg)
横田 恵豊 日々是好日
日々是好日 雨の日は雨を愛し 風の日は風を好み 晴れた日は散歩しよう 貧しくば心に富を
中国唐末の禅僧の雲門文偃(864~949)の語です。「毎日が好日である」であると言っているのではなく「毎日を好日にせよ」と呼びかけている、命令形なんです。しかるにいかにして「日々是好日」にするかです。宮沢賢治の「雨ニモマケズ、風ニモマケズ…」毎日をしっかり生きていこうとしています。生活信条をもっていたようです。これに対してフランスの詩を日本に紹介した堀口大学の詩「雨の日は雨を愛し、風の日は風を好み…」と対比すると面白いと思います。